「3つの願い」米谷 健+ジュリア、作品映像:
「3つの願い」(2014) ガラス、蝶剥製(ヤマトシジミ)、回転オルゴール、LED
9cm x 9cm x 15cm
オルゴールから奏でられる「小さな世界」のメロディに合わせ、妖精(ティンカーベル)が光に包まれながら回転する──《3つの願い》は、その外見の愛らしさの中に、原子力の脅威を孕ませた作品である。原子力の平和利用がもたらす明るい未来像を描いたディズニーの科学教育映画「わが友原子力」(1957年)から着想を得て制作。妖精の羽は、福島第一原子力発電所事故によって放射能汚染の影響を受けた小蝶(ヤマトシジミ)の翅を使用している*。
*福島県広野町で採取されたヤマトシジミの卵を飼育し、成虫となった蝶の剥製を使用。放射能汚染の生物学的影響について調査を行う琉球大学大瀧研究室の協力を得ている。